言ってみれば
「野合」ということ

 こうしたことから明らかになったのは、N国党は「NHKをぶっ壊す!」と叫んでみたはものの、これからしたいことが特にないということだろう。

 いや、NHK問題以外、これまで何も考えてこなかったので、「みんなの党」のアジェンダを取り入れつつ、関連政策も具体化、精緻化していくというのならまだ話は分かる。

 しかし、新会派の運営、「党議拘束はかけず、それぞれの立場で意見を言っていく」とのことであるから、政策や思想信条はそっちのけで、はっきり言ってどうでもよく、「とりあえず会派が組めればいい」と言っているに等しい。要は会派のための会派、言ってみれば「野合」ということである。

「みんなの党」、なんと予算委員会、財務金融委員会および消費者特別委員会の委員となった。本格的な論戦は秋に予定されている臨時国会からである。予算委員会と財務金融委員会で主に質疑に立つのは、渡辺喜美参院議員だろう。そして、当初はそれでなんとなく会派は回っていくのだろう。

 しかし、国会での「NHKをぶっ壊す!」を期待していた有権者からの違和感や不満の声が増えていけば、立花孝志代表も質疑の機会をより多く確保するように動かざるをえなくなる。とはいえ、個別の法案についての知見のない立花孝志代表には荷が重すぎるように思われる。

 そうなると、それを奇貨として渡辺喜美参院議員は自分の活躍の機会をより増やすようになり、ますます「みんなの党」色というより渡辺喜美色が強くなって、有権者の離反を招きかねない。

 そうなれば、もうN国党は存在しなくなったに等しい。

 N国党の地方議員の動きにもよるが、もし本当に「NHKから国民を守る」を信条にしているのであれば、「みんなの党」から「NHKから国民を守る」を守る動きが強くなり、最終的には分裂ということにもなりかねない。いや、その可能性が高いと考えた方がいいだろう。

 立花孝志代表は、本当に「NHKをぶっ壊」したい、「NHKから国民を守」りたいのであれば、早々にN国党としての放送関連政策を検討し取りまとめ、公表すべきであるのだが、これまでの動きを見る限りにおいては、望み薄か。