安倍の後継は誰か?
若手育成で挙がる名前は

 すると、むしろ、安倍は、若手に近い中堅を育成しようとしているのではないかと、田村は見立てた。

 8月7日、小泉元首相の息子・進次郎議員(当選4回)とフリーアナウンサーである滝川クリステルとの結婚ニュースが全国を駆け巡った。進次郎は圧倒的な人気にもかかわらず、当選1回で大臣職を要請した田中真紀子と同じ轍は踏まずに、党の職務で汗をかき、実力を貯えている。

 滝川との結婚で、首相の道への準備を本格化させたともいえるかもしれない。父の本当の顔は寡黙で穏やかな人だったというが、息子は気配りの人だと田村は言う。

「安全保障に関する質問の相談を受けたんだけど、普通は俺が出向くか秘書が資料を取りにくるのに、彼は自ら私の席にやって来たんだ。数十秒でファンになってしまったよ」

 今回、非難も受けているが、官邸で進次郎に結婚会見を受けさせたことで、将来の首相候補のひとりと衆知させたともいえる。

 また安倍は、当選3回の山下貴司を法相に抜擢して、話題になった。山下が石破派ということで、切り崩しとも言われたし、そうした側面は否めないが、「山下の高い能力を見抜いてのことだろう」と田村は言う。しかし、最有力候補というのは今のところ、まだ見当たらない。

 ポスト安倍は安倍なのか――。誰が後継になってもおかしくない混沌とした状況を尻目に、安倍は着々と、憲政史上最長の首相在職日数更新へ向かっており、田村曰く「大宰相」への道を歩いている。

(文中敬称略)