自民党総裁選で経済政策の論争はほとんどないに等しいが、経済政策でさらに影が薄いのは野党だ。野党が「安倍政治」を止めたいのであれば、選挙での共闘以上に重要なことがある。
さまざまな批判があるにもかかわらず、安倍政権が長く続き、野党が党勢を伸ばせないのはなぜか。その原因は、最近の2つの選挙からも明らかだ。
新潟知事選の惨敗が象徴
問題は共闘の数合わせではない
森友・加計(モリ・カケ) 問題の批判がピークだった6月10日に行われた新潟県知事選挙では、立民・国民民主・共産・自由・社民党と連合新潟の推薦を受けた野党候補が、 約4万票の差をつけられて与党推薦候補に敗れた。
前回は、米山隆一前知事が、当時の民進党の推薦を受けず、さらには連合新潟が対立候補の推薦に回ったにもかかわらず、与党候補に6万票あまりの差をつけて勝利していたのに、だ。
この原因は、「安倍一強」と野党不振という、いまの国政全般につながるものだ。