――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  エコノミストはリセッション(景気後退)について、複数の原因によって引き起こされる複雑な現象だと考えている。歴史家や一般市民はシンプルな説明を好む。景気後退は当面、現実というよりはリスクにとどまっているが、その説明に関する戦いはすでに始まっている。  実際、ドナルド・トランプ米大統領の米連邦準備制度理事会(FRB)批判は激しさを増しているが、それは単に利下げを要求しているだけでなく、経済が景気後退入りした際に、その責任をFRBに押しつける狙いがあるようだ。