エコノミストはリセッション(景気後退)について、複数の原因によって引き起こされる複雑な現象だと考えている。歴史家や一般市民はシンプルな説明を好む。景気後退は当面、現実というよりはリスクにとどまっているが、その説明に関する戦いはすでに始まっている。実際、ドナルド・トランプ米大統領の米連邦準備制度理事会(FRB)批判は激しさを増しているが、それは単に利下げを要求しているだけでなく、経済が景気後退入りした際に、その責任をFRBに押しつける狙いがあるようだ。だが歴史やこれまでのニュース報道を振り返ると、それは負け戦になる。投資家や企業にとって、FRBへの関心度は貿易戦争ほど高くはない。貿易戦争は良くもあしくも、トランプ氏の「功績」だ。