将来の見通しが甘く、お金を使い過ぎて老後資金が足りなくなる人は意外と珍しくありません。「いよいよ貯金が底を突いて暮らせなくなったら、生活保護を受ければいいだろう」という極端な考えを持っている人もいますが、そういう人が増えてしまうと、国の財政状況が厳しくなり、反対に制度を利用するための審査が厳しくなって生活保護を受けられなくなる可能性さえあります。
お金がない理由を、妻や子どもなど家族のせいにする人がいるのも事実です。しかし、もし家族が自分の意にそぐわないお金の使い方をしていたとしたら、それはご自分の行動や、お金の使い方にもともと問題があることが原因かもしれません。
子どもの学費が支払えない
収入は十分なのにローン地獄に
10年ほど前に離婚し、子ども2人を引き取って育ててきた男性会社員のWさん(51)は、今まさに資金難に陥っており、この先どうなってしまうのか不安に思って私の元へ相談にいらっしゃいました。お子さんは今、20歳と18歳。頑張って大学にも進学させました。間もなく後期の授業料を払わなくてはいけない時期になるのに、そのお金が用意できていないのです。
子どもが小さい頃は、残業がしにくいなどの理由で収入はあまり多くありませんでした。子どもの成長に伴い、徐々に仕事の時間を増やすことができ、今の収入は手取り月収で約37万円、ボーナスは夏と冬それぞれ70万円ほどです。生活するには十分な金額のはずですが、とにかく貯金がありません。