実際、24日に北朝鮮は飛翔体を発射した。これを日本のメディアが報じてから、26分後に韓国国防部が発表した。これまでは韓国国防部が発表してから、日本の防衛省が発表してきた。この点につき自衛隊OBは、日本の安保に危険が及ぶ状況ではなかったので、韓国国防部の発表の後にしたと述べている。しかし、今回は日本の情報力が韓国に勝っていることを日本国民に示し、安心してもらう目的で即時の発表となったようだ。

 思えば7月25日、北朝鮮が発射した飛翔体の飛行距離について、韓国国防部は日本からの情報を基に訂正したことがあった。これがGSOMIAに基づく日本からの情報であったことを韓国が認めたのは、国防部が日本とのGSOMIAが重要であることを国民に示すため、敢えて認めたのだと言われている。この時すでに、韓国の左翼系の人々の間ではGSOMIA破棄が議論されていた。

 韓国は自国と地域の安全保障を犠牲にしてまで、日本への反発を強めている。これからも理性的な判断などとても期待できない。

米国の意向を完全無視
日韓対立は米韓対立に発展か

 米国は、ボルトン大統領補佐官やエスパー国防長官がわざわざ韓国を訪問して、文大統領に会い、GSOMIA破棄を思いとどまるよう説得した。それでも、文政権がGSOMIA破棄を決定したため、米国との信頼関係を損なったことは言うまでもない。韓国は日韓関係の対立を、米韓関係の対立へと拡大してしまったのである。

 破棄を伝える会見で、韓国の国家安保室第1次長は、米国の理解を得ていると述べたが、米国はこの発言を直ちに否定し、エスパー国防長官とポンぺオ国務長官が強い失望を表明した。

 韓国は、相手方の考えを理解しようとはせず、思い込みによって判断する。今回も米国の判断を見誤ったようだ。しかも米国は、韓国政府でなく「文在寅政権」と名指しで批判している。これは青瓦台の過激派グループが韓国政府内の良識派の意見や米韓の同盟を無視し、安保協力を弱体化させかねない決定行ったことへの強い不満の表明である。

 トランプ大統領はフランスで行われるG7会合に出発する直前の会見で、今後の韓国の出方を見守ると述べた。だが気になるのは、いつもの得意のツイートを日本時間25日朝の時点で、未だ出していない点だ。米中の貿易問題がさらに悪化している事情もあるだろうが、韓国に強い怒りを覚えていることも考えられるだろう。日韓関係について米国がどうみているかは、フランス到着後行われる安倍総理との会談でのやり取りに注目するべきだ。