『中谷彰宏の人生道場』テーマ第3弾は「大人のマナー」です。マナーには2通りあって、おじぎの角度やタクシーに乗る順番など、新人研修で習うマナーは「守りのマナー」と言えます。しかし、実践で役立つのは臨機応変に対応しなければならない「攻めのマナー」の方です。今回から、一般的には紹介されることの少ない「攻めのマナー」を伝授していきたいと思います。

掃除をすれば、
仕事が見つかる。

 新人の時は、雑用ばかり任されます。

 雑用が片づくと、やる仕事がなくなります。手持ちぶさたでブラブラしていると、「あいつ、サボっている」と思われます。

 仕方がないので「お先に失礼します」と言うと、「先輩が働いているのになんだ」と思われるのです。かといって、仕事も分けてもらえません。

 仕事は、みずから見つけてつくり出すものです。じっとしていては仕事を与えられるわけではありません。仕事を与えられるように、コツコツ動いたり、仕事の落下点に行くことです。

 野球で言うと、ボールが仕事です。自分がボールの落下点に動けば、仕事を手に入れられるのです。

 「何をやればいいですか」と先輩に聞くのは、仕事ができない人間の仕事のやり方です。仕事のできる人間は、みずから仕事を見つけます。

 何もすることがない時は掃除をすると、面白いことに何か仕事が見つかります。掃除すること自体、1つの仕事になって、みんなは助かります。

 仕事のできる人は、仕事をコツコツ見いだしています。それは、上司や先輩、お客様から頼まれたわけではありません。

 掃除をしているうちに、自分で仕事を見つけ出すのです。じっと座って待っていても、仕事は見つかりません。

 少しでも掃除を始めると、「ここを整理しておこう」とか「ここのラベルを張りかえて並べるときれいに見える」ということに気づきます。

 頼みたかったのに頼まないでいたこと、何を頼んでいいかわからなかったこと、前から頼もうと思っていたことを見つけるのは、むずかしいのです。先輩でもわかりません。