ローソンがウーバーイーツに対応した実証実験をスタートした。好意的な反響も多く、今後拡大されれば消費者への恩恵は大きい。ただ、ウーバーイーツの配達員はウーバーと雇用契約を結ばない事業者という立場であるため、雇用保険や最低賃金が適用されない。コンビニエンスストア加盟店オーナーを事業者と労働者のどちらとみなすかという議論がある中で、ウーバーの配達員の間でも同様の問題を訴える声が上がっている。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)
ローソンがウーバーイーツと実証実験
宅配サービスの「カネや時間を短縮」
ペットボトル入りの飲料約30本を、黒い大きなリュックサックに入れて、男性が運んでいく――。自分で運ぶにはためらってしまう量の荷物だ。代わりに運んでくれるのは、ウーバーイーツの配達員である。
コンビニエンスストア大手ローソンは29日から、東京都心の直営店4店で、宅配サービス「ウーバーイーツ」で弁当や日用品を客に届ける実証実験を始めた。
ウーバーイーツは全国10以上の都市で、飲食品店の商品を中心とする宅配サービスを展開。スマートフォンのアプリから注文した客に、同社と契約した自転車の配達員が届ける。実際に働いている配達員は、全国で1万5000人に上るという。
ローソンの吉田泰治・ラストワンマイル事業本部長補佐は、「リアル店舗だけでは成長に限界があり、ネット通販などチャネル(販売経路)改革の一環だ。ウーバーイーツと組むことで、(自前でやるなら生じる)カネや時間を短縮した」と話す。