米中貿易紛争と景気後退懸念ですでに頭がいっぱいの投資家に、また頭痛の種が増えた。流動性が低下しているのだ。夏の終わりは休暇にくわえて経済指標・決算の発表が少ないため、相場の動きは鈍る傾向にある。だが、トレーダーやアナリストによると、今年8月は例年以上に流動性が低かった。流動性の低下は株・債券から通貨やデリバティブにも共通しており、市場全体を通じて変動が大きくなりやすいとアナリストらは話す。一部の投資家にとっては気がかりな展開だ。彼らは既に、底堅い米個人消費や、減速しているものの安定した成長を示す経済指標と、市場のストレスの兆しを比較している。市場参加者の一部にとって商いの薄さは特に気がかりだ。S&P500種株価指数は8月に2%近く下落したにもかかわらず、年初来では17%上昇。依然として最高値に近い水準にとどまっている。