所属クラブと日本代表での役割が
完璧にシンクロ、大きな相乗効果に

 振り返ってみればケルン時代もセンターフォワードではなく、トップ下やサイドなど中盤での起用が多かった。求められるすべての武器をハイレベルで搭載している万能型のフォワードという評価を、非常に器用で使い勝手がいいという評価の方が渡独後は上回っていたのだろう。

 だからこそ、乖離することが多かった所属クラブと日本代表での役割が、29歳で迎えた今シーズンから完璧にシンクロしたことがもたらす相乗効果は大きい。ドイツで得た好感触と自信をそのまま森保ジャパンに還元しながら、上手さと怖さを融合させたストライカーへと変貌を遂げているからだ。

 加えて、日本代表の中で中堅からベテランの領域に差しかかり、18歳のMF久保建英(RCDマジョルカ)を含めた若手が台頭している状況が、さらなる自覚を胸中に芽生えさせている。出場すれば3度目のワールドカップになる3年後のカタール大会を見すえながら、大迫はこんな言葉を残している。

「代表では中心としてずっとやっているから、結果というものをしっかり出さなきゃいけない責任感がある。そこは自分自身にプレッシャーをかけながら、プレーするだけだと思っている」

 ブレーメンで生まれた理想的な循環が、森保ジャパンでも力強く脈打っていることが伝わってくる。頼もしさを増す大きな背中に、長友はこんなエールを送ることも忘れなかった。

「ブレーメンでも結果を残していますけど、もっともっと貪欲に結果を残して、ビッグクラブへ行ってほしいですね。ブレーメンもドイツもレベルが高いけど、それでもビッグクラブでどれだけやれるのかを正直、僕は見たい。それだけレベルが高い選手なので」

 カタールへの第一歩となるアジア2次予選で、日本はミャンマー、キルギス、タジキスタン、モンゴル各代表とグループFを戦う。FIFAランキング的には格下の相手ばかりとなるが、真剣勝負の舞台では何が起こるか分からない。実際、ロシア大会出場をかけた2015年6月のアジア2次予選初戦は、シンガポール代表とホームの埼玉スタジアムでまさかのスコアレスドローに終わっている。

「相手どうこうよりまずは自分たちにベクトルを向けて、やるべきことを整理して、いい準備をして試合に臨むだけです。ピッチの状態を含めていろいろな環境の問題があるけど、経験ある選手が多いので大丈夫だと思っている」

 シンガポール戦では大迫も後半途中から出場しながら仕事を果たせず、その後はハリルジャパンから遠ざかった。悔しさを糧に、必ず成長してみせると誓ってから4年あまり。代名詞の「半端ない」をさらに超越しつつある大迫が、森保ジャパンの攻撃陣を頼れる背中でけん引していく。