「捏造協力費は6000万円」

【午前11時1分】

 1人目の証人尋問。告発を仲介したHD 元リスク管理業務委託先の男性が証言席に座った。原告席は代理人弁護士ら9人、被告席は代理人弁護士ら10人。傍聴席は双方の関係者、記者ら25人。一言一句聞き逃すまいと、皆真剣な表情だ。

 まずは原告千壽氏の代理人弁護士が質問。男性は寄付確約書の捏造に協力した経緯を改めて説明し、「捏造は犯罪だがポーラ専務に懇願されたので応じた」「捏造の実質的な協力費としてポーラ側から6000万円を支払う申し出があった」などと述べた。

 約30分が経過し、被告鈴木社長らの代理人弁護士による尋問に移った。原告から捏造過程を説明する証拠として提出された男性の01年の手帳に関し、「捏造の協力を依頼されたはずの日にその記載がないのはなぜか」「極めて不自然なメモがある」などと攻めたてた。

 予定時間を10分余りオーバーして終了。昼休みに入り、傍聴席で聞いていた鈴木社長は千壽氏に会釈して法廷を出た。

陳述書の変遷は「社長からの圧力では」

【午後1時15分】

 昼休みを終え、2人目の証人尋問は元ナンバー2だ。傍聴席の鈴木社長は考え込むように、前方を見つめていた。再び、原告の代理人弁護士から尋問がスタート。17年12月中の告発経緯を問われ、「29日の取締役会で初めて(有価証券売買契約書の)捏造を否定された。捏造がないならば最初の時点から即、私を呼び出していたはずだ」と疑問を呈した。

 また、18年1月に捏造を認める陳述書を作成した疑惑当時の秘書室員(現HD子会社取締役)が一転、19 年8月に捏造を否定する陳述書を作成したことについて問われると、「社長から圧力があったのではないか」と推測した。

 約30分が経過し攻守交代。被告である社長側の代理人弁護士の尋問タイムに移る。

 有価証券売買契約書の捏造を内部告発したと同時に美術品寄付確約書の捏造を告発しなかったことの不自然さを質問されると、元ナンバー2は「(前者の告発だけで)事足りると思っていたから」などと釈明した。

 また内部告発し、遺産訴訟再燃後は原告の千壽氏に協力してきたこの間の行動について「自分が社長になるためではないか」と問われると、元ナンバー2は否定し、「真実を全て明らかにしたい思いからだ」と反論した。