醤油は薄口のほうが塩分が多いことも

「食のリテラシー」を身に着ける第一歩が表示を見る習慣だとしたら、もう一歩進んで、読み解く力も身に着けてほしいものです。読み解く力がカギとなる典型例として薄口醤油を見てみましょう。

 一般的に「醤油」と言えば、深い焦げ茶色の「濃口醤油」を指しますが、淡い色合いの「薄口醤油」も売られています。薄口醤油は黄色みを含んだ淡い褐色で、穏やかな風味が特徴。国内生産量は1割程度に留まるものの、「料理の見た目が茶色にならない」こともあって、一定のニーズがあります。
 
 この「濃口・薄口」という表現だけを見ると、あたかも薄口のほうが塩分が少ないように感じます。ところが、それは逆なのです。

 塩分濃度は薄口が18~19%、濃口が16%。大さじ1杯分に含まれる塩分量で比較すると、薄口は約2.9グラム、濃口は2.6グラムとなります。「薄口なら健康的だ」と考えたら大間違いというわけです。