隠された塩分に要注意!
パンや練り物には塩分が多い

 また、「しょっぱくないから塩分は少ないよね」という舌の感覚も、まったくあてになりません。

 実は、パン、ドレッシング類、はんぺんなどの練り物には、その製造過程で結構な量の塩分が投入されます。でも、その表示を読み解く力がなければ大半の人は気づきません。

 実は、塩分の摂り過ぎはよくないと多くの人が知っているからこそ、食品の塩分含有量はあまり積極的に知らされません。

「ナトリウム○○グラム」と表示して
塩分量がわかりづらくなっている!

 今、多くの食品で「ナトリウム表記」がなされています。「ナトリウム1グラム」と表記されていると、あたかも「塩が1グラム入っているのか」と感じますが、ナトリウム1グラムは食塩2.54グラムに相当します。ナトリウム表記に騙されていると、とんでもない量の塩分を摂ってしまいます。

 もっとも、日本の消費者が食品の表示に疎いのはしかたのないことです。これまで、かなりいい加減な状態が長く続いてきたからです。

 こうした状況を改善すべく、2015年4月に「新しい食品表示法」が施行され、よりわかりやすい表示が義務づけられました。ただし、加工食品及び添加物については5年間の猶予が与えられているために、まだ徹底されていません。ようやく2020年4月には、新表示へ完全移行されます。

 これを機に、表示に強くなって自分の健康を守りましょう。

 このように、食品表示に強くなることも健康長寿ですごすための大事な教養の1つです。『医者が教える食事術2 実践バイブル』では、このような表示に関する情報など実践的な内容が満載なので、ぜひ参考にしてください。

(この原稿は書籍『医者が教える食事術2 実践バイブル――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)