グラス1杯1000万円!
幻のロマネコンティ

 また、最近では「ユニコーンワイン(存在は耳にしたことはあるが、誰も実物を見たことがないワイン)」と呼ばれる1945年産のロマネコンティを巡り、オークションで壮絶な競り合いが繰り広げられました。

 45年産は「存在さえ幻」と言われるワインであり、過去に何度もコレクターたちが偽造ワインで涙を飲んだヴィンテージです。しかし今回出品されたのは、1945年当時にロマネコンティを扱っていたネゴシアン(ワイン商)が保存していたという、来歴の確かな、正真正銘の本物でした。

グラス1杯1000万円!? ワインの帝王「ロマネコンティ」があんなにも高い理由平均価格220万円にものぼる「ロマネコンティ」。『高いワイン』(ダイヤモンド社)より抜粋

 しかも、このネゴシアンの当主、尋常ではないほどロマネコンティを大切に扱っていたようです。彼が無実の罪で捕まった際に、牢屋から愛妻に送った手紙が今も残っていますが、その内容は「アイラブユー」といった類のものではなく、「ロマネコンティはこうやって保管しておいてくれ」という指南が書きつづられていたほどです。

 彼の執念により良質な保存状態を保ったこの45年産ロマネコンティには、世界中のワインコレクターから熱い視線がそそがれ、その落札額は世界最高の約6千万円に達しました。ボトル1本がグラス6~7杯分と考えると、グラス1杯約1000万円という驚くべき価格です。まさに「神から与えられたワイン」と呼ぶにふさわしい驚愕の値を叩き出したのです。