フランスではPACS(パックス)という制度があって、これは「生活を共にする2人なら、法律婚した夫婦と同様に社会保障等を受けられるようにしましょう」というもので、1999年に制定された。このあたりの時期から欧州各国でも同様の流れが始まり、オランダでは「登録パートナー制度」、スウェーデンでは「sambo(サンボ)」といった、法律婚によらない婚姻関係を選択するカップルが増えていった。

 何しろ法律婚するとなると別れたときのことも考えいろいろ面倒だが、法律婚のメリットほぼそのままでデメリットをなくした事実婚ができるとなったのだから、これを利用しない手はない。フランスのPACSはLGBTのカップルに向けて考案された制度らしいが、現在では異性愛のカップルも広く利用しているとのことである。

 諸外国と日本では結婚に対する価値観や税制と経済、それらに基づく社会保障のあり方がまったく違うので、比較して優劣を論じる必要はないと思うが(もちろん「日本に旧態依然としてある、嫁を道具として見なすような封建的な結婚制度はぶち壊せ!」と考える人は大いに比較するのがよろしいと思うが)、婚外子の割合からしてここまで違うのかということは純粋に興味深く思える。“婚外子の割合”が示した数字の差が、事実婚に対する認識の差、と考えてもいいかもしれない。

 海外で事実婚をした元?日本人のブログを読んでいたら、「事実婚には、法律婚に必要とされる書類の類いはいらない。相手を大事にして共に生きていくのだという気持ちと覚悟のみが必要とされる。すなわち純粋な愛情によって成立するのが事実婚」といった趣旨のことが書かれていて、なるほどと思った。何事も捉え方次第であるが、なんとなく法律婚を選択した既婚者(筆者含む)にはなかなか持ち得ないであろう視点である。

 もちろん法律婚をした人たちも生半可な覚悟で婚姻届を出したわけではないので、つまり法律婚も事実婚もみんな覚悟を持ってやっているのだなと、お互いの覚悟を軽視するのはやめましょうねと、本稿は全体的にラブ&ピースな方向に話を落ち着かせたい次第である。

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