しかし、野村ホールディングスが赤字に転落するなど、19年3月期は大手証券会社の業績が軒並み悪化した。以前までの高給が見込めなくなるという理由により、証券会社からの転職者が今後増えてくる可能性が高そうだ。
また、転職先となる業界には明らかな変化が見られる。銀行業界と同様に、同じ業界への転職が下火になる一方で、異業界への転職者の数がじわりと伸びているのだ。
リクルートエージェントによると、09年から18年までの間で、証券会社を辞めて同じ金融業界にとどまる人の割合は35.1%から26.5%へと8.6ポイント減少した。
求人側のニーズからも、この流れは今後も続く見通しだ。金融機関の求人動向に詳しいリクルートキャリアの五十嵐昭幸エージェント事業本部マネージャーは、「業績が悪化した証券会社で求人が少なくなっている印象を受ける」と指摘。「投資銀行部門では、この人一人が入社すれば業績が上がるというトップタレントへのニーズはあるものの、そこも狭き門になりつつある」という。