西川氏は、自らが指示したものではないが受け取ったことを認め、この上乗せ分を返済するとしていた。日産社内調査では、西川氏のほかに2人の元取締役、4人の現職・元職の執行役員に同様の不正支払いがあったことも確認された。

 その中にはゴーン会長がヘッドハンティングし現在、副社長にまで昇進した星野朝子氏やハリ・ナダ専務執行役員の名前が挙げられているが、日産は西川氏以外の名前は公表していない。

 結局、これが直接的な解任に結びついたが、そもそも西川社長本人も認めていたように「ゴーン政権時代の取締役責任」という意味では、まさしく西川氏は「ゴーンチルドレン」と称された人物。ゴーン元会長に引き立てられた幹部の1人であった。

 日産では購買調達畑を歩み、切れ者で知られていた。2016年に代表取締役共同最高経営責任者、副会長、2017年に社長兼CEO就任。自工会会長や三菱自動車との資本提携交渉、ルノー取締役も10年以上務めるなど、「ポストゴーンは西川しかいない」と呼ばれ、自らもやる気十分だった。

 ただし、西川氏自身の性格はドライで孤高のタイプ。人望が薄く、求心力に欠けていたのが最大の弱点であった。6月の定時株主総会を乗り切って「業績の回復、企業連合の安定化と山積する課題に取り組んでいく」と宣言したばかりだったが、9日の取締役会でも取締役陣の信頼を集めきれず、解任という事態を招いたのだ。

 西川氏の退任により、「ゴーンチルドレン」と呼ばれる幹部らが「これから一掃されるのか」ということも注目されている。すでにその何人かは退社し、西川氏のライバルともいわれた志賀俊之氏も6月の定時株主総会で取締役を退任している。

最有力とされる次のトップは
関潤専務執行役員だが…

 それでは、次の日産のリーダーには誰が選ばれるのか。