「成仏マネジメント」はどうしてくれる、と思われるかもしれないが、役員経験者の処遇には、金銭や名誉(形骸化して差し支えない類いの)など別の方法で対処し、関係会社への天下りは原則廃止したい。もちろん、本社の役員がスキルや経験において関係会社の社長の要件にマッチする場合は例外である。
日本の大企業は、長い年月をかけてやっと、現役引退後も経営に介入してくる「相談役制度」を廃止することができた。いざ、次の主戦場は関係会社への天下り役員人事である。本社の人が偉いなどという幻想をさっさと捨てるためにも、株主の求める利益率の向上のためにも、関係会社役員人事の改革は急務である。
(プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役 秋山進、構成/ライター 奥田由意)