大企業で働く弊害とは?
大企業で働く弊害とは? Photo:PIXTA

 大企業はやっぱり「おいしい」という話を以前した(『大企業に勤めることがやっぱり「おいしい」5つの理由』)。

 この記事を読んだ方から、大企業にはそれらの「おいしさ」を超える「イケてなさ」(弊害)がたくさんあるのではないか、というご指摘をいただいた。

 おっしゃるとおりである。そもそもこの連載では、基本的に大企業をはじめとした典型的な組織の病理を解説してきた。大企業迎合の徒と思われたのでは沽券に関わるとまではいわないにしても、本意ではないし、そもそもこのような形でコンサルタントをしてはいないだろう。

 そこで今回は、改めて大企業で働く際の障害、弊害、大企業で身についてしまう困ったくせ、大企業の典型的な問題点についてお話ししたいと思う。

【問題点1】
大企業は無能な社員で満ちているという可能性

「ピーターの法則」という言葉を聞いたことがおありだろうか。

『[新装版]ピーターの法則――「階層社会学」が暴く会社に無能があふれる理由』

 アメリカの教育学者、ローレンス・J・ピーターは、組織の階層構造と社員の能力の関係を考察した。組織は階層社会であり、その中で社員は能力の極限まで出世する。それゆえ、有能な平社員は最大限に出世して、無能な中間管理職となり、それ以上、上にはいかないため、結果的に組織は無能な人で埋め尽くされると説いた。

 もう少し詳しく説明しよう。大企業の組織はピラミッド型の階層社会である。最下層の平社員の中から能力の高い一部の者が昇進して課長クラスという層にはい上がり、その課長クラスの中からやはり能力の高いごく一部の者が昇進して部長クラスという層にはい上がり……というように、最後は役員クラスの層から一人が社長になり、頂点を形成する。

 翻って各クラス、各層に残った人員について考えてみると、最下層の平社員層には、課長に上がれなかったり、ピークを過ぎたりした能力の低い有象無象が滞留し、課長の層には部長になれなかった、能力が低かったり、ピークを過ぎたりした有象無象が滞留し……というように、役員クラスまで、それぞれの層において、極言すれば「無能なもの」だけが残り、それらが一体となって組織を構成していることになる。これでは、周囲も上司も“無能”ばかりということになる――。

 このピーターの法則の当否はともかく、本来社員の個性は多様で、得手不得手もあり、現在与えられているのとは違った職務に適性を持っていることもある。いまの職場では無能なようでも、ほかのことをさせれば、才能が開花したかもしれない。