キャッシュレス決済導入の実質的な強制は
中小・零細企業に「死ね」と言っているに等しい

 それ以前の問題として、キャッシュレス決済インフラを利用する以上、いずれにせよ手数料は支払い続けなければならず、それは小規模事業者や零細事業者にはそもそも大きな負担である。手数料負担に耐えられず潰れる店も出てくるかもしれない。

 実際、消費税増税後の価格は柔軟に設定できるというのが政府の理解であり、大企業については、「消費税引き上げ後、自らの経営資源を活用して~価格設定を行うことに何ら制約はありません」とされている。つまり、増税分を価格転嫁しなければならないとはされていないということである。

 一方で中小・零細企業は増税分を転嫁できず、粗利が減ることになるのは確実。そこにさらにキャッシュレス決済導入で手数料を徴収されたら、粗利減と合わせて5%以上利益が吹き飛ぶことになりかねない。

 すなわち、キャッシュレス決済導入の実質的な強制は、中小・零細企業に「死ね」と言っているに等しいということであろう。

 しかし、こうしたことについて、ポイント還元事業を所管・推進する経済産業省は、あまりにも意識が低いようだ。

 例えば、先の通常国会、4月3日の衆議院経済産業委員会における、立憲民主党の落合貴之議員と世耕弘成経済産業大臣(当時)とのやりとりを見てもそれは明らかである。

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落合議員:
 消費税の今回の増税に合わせて、経産省としても、中小零細の事業者に対してはポイント還元を税金で補助しますよという政策が発表されました、キャッシュレス決済に関しては。

 ~(中略)~

 やはり問題なのは、消費税が10%にもなるのに、プラスして、上限規制があるといっても3.25%、それに3分の1補助を入れたとしても2.17ですか、2.2%の手数料。要は、10%以上、税込みの価格からそういったものを中小零細の事業者が払わなきゃいけないという、負担が2%でも3%でもふえる。

 ~(中略)~

 このポイント還元が終わったら、手数料がまた上乗せになる確率が高い、まあ、必ずしもそうなるかはわからないですが。政府の施策によって、中小零細の事業者の売り上げは上がったとしても、負担はふえるという関係はあるわけでございます。それはしっかり、大臣、認識をされていますでしょうか。