ザ・ネクストバンカー 次世代の銀行員のかたち『ザ・ネクストバンカー 次世代の銀行員のかたち』 浪川 攻 著 講談社現代新書 860円(税別)

 そんな時代にあって、これから先、銀行員が生き残るためのヒントを提供するのが、本書『ザ・ネクストバンカー 次世代の銀行員のかたち』だ。3つのメガバンク、4つの地方銀行でそれぞれの現場を支え、「伝説の支店長」とまで言われたほどの“名バンカー”12人にスポットを当てている。

 著者の浪川攻(なみかわおさむ)氏は経済ジャーナリスト。金融分野を中心に取材・執筆活動を行い、『銀行員はどう生きるか』(講談社現代新書)、『地銀衰退の真実 未来に選ばれし金融機関』(PHPビジネス新書)、『金融自壊 歴史は繰り返すのか』(東洋経済新報社)などの著書がある。

 前述のような厳しい環境にさらされながら、本書に登場する12人のバンカーたちは、顧客と向き合い、部下を育てながら、経営部門からの厳しいノルマを達成し、業績を伸ばしてきた。

 ここではその一人である、伊予銀行松山北支店の支店長を務める矢野一成氏を紹介しよう。

旧来の銀行のイメージを一新した
伊予銀行松山北支店

 伊予銀行は、愛媛県松山市に本店を置く大手地方銀行だ。2015年から「10年先も必要とされる銀行」をテーマに改革に着手し、IT化で先行する有力地銀の一つとして大きな注目を集めている。

 2017年6月には、問屋町支店と潮見支店の2つの支店を統合し「松山北支店」として営業を開始。同時に、デジタル技術を駆使した業務改革を大々的に推進し、新時代への対応をめざす同銀初のパイロット店舗とした。

 伊予銀行はYouTubeに公式チャンネルを持っており、そこに「松山北支店のご案内」という2分半ほどの動画がアップされていたので、視聴してみた。

 驚いたのは、同支店の様子に、私たちが通常イメージするような銀行らしさが、かけらもなかったことだ。銀行らしさとは、窓口にカウンターがずらりと並び、その後ろで多くの銀行員が忙しそうに行き来するような、重厚感あふれるイメージのことだ。