“自動運転分野を含めた
新たなフィールド”でも協力関係を築く
ついにトヨタとスズキが資本提携を行った。8月28日の両社発表によると、トヨタはスズキに960億円を出資してスズキ株の4.94%を取得し、スズキはトヨタに480億円を出資してトヨタ株の0.2%を取得するという“株持ち合い”というかたちでの資本提携だ。事業協力については、今年3月の業務提携時に発表したとおり、(1)トヨタの強みである電動化技術および電動車の供給(2)スズキの強みである小型車およびパワートレーンの供給(3)両社の強みを生かした開発・生産領域での協業の3点が中心である。
トヨタはスズキが実施する第三者割当による自己株式処分により、同社の普通株4.94%を所有し、スズキはその半額に当たる金額に相当するトヨタ株0.2%を取得する。また、3月の業務提携時点では言明していなかった「“自動運転分野を含めた新たなフィールド”でも協力関係を築く」と発表された。
両社が資本提携を行った理由については「スズキ側の事情」とのメディア報道が多い。提携の発端は、2016年秋にスズキの鈴木修会長とトヨタの豊田章一郎名誉会長が会談を持ったことだった。この会談で、鈴木会長が豊田名誉会長に「『提携しませんか』と持ちかけた」と新聞や経済誌は報じている。そして、この件で両社が共同記者会見を開いたのは同年10月12日、世の中はこの日に初めて両社の業務提携に向けた話し合いが始まったことを知る。