【ケース2】妻が年下なので「加給年金」を受け取りたい
→夫は基礎年金のみ繰り下げる

 年金額を少しでも増やしたいので繰り下げたい、しかし加給年金も欲しいという人は、厚生年金は65歳から受け取り、基礎年金だけを繰り下げると、加給年金を受け取ることができる。

 加給年金は、厚生年金の受給が前提となっているものなので、厚生年金を繰り下げずに受給すると受け取れる。基礎年金だけ繰り下げると、基礎年金だけ増額される仕組みだ。これなら「おいしいとこ取り」ができる。

【ケース3】そもそも年金額が少ないから、70歳まで働くつもり
→繰り下げが向いている

 会社員生活が長くても給与水準が低かったシングル女性や、非正規で働いた期間が長かった人は、年金額が少ない。年金額が少ないと老後資金を取り崩して生活することになるが、給与水準が低いと十分な老後資金を準備できないケースも多い。

 完全リタイアして年金生活に入ったときの収入アップと、長生きしたときの備えとして、繰り下げ受給を検討したい。

 その場合、70歳までは働いて「収支トントン」の暮らしを目指し、年金生活は70歳からと位置付けるのがいいだろう。

【ケース4】年金額は人並み以上だが、老後資金としてまとまったお金がない
→繰り下げは不向き。65歳から受け取らずに、70歳で「5年分」を一括で受け取る(年金額が増えるわけではない)

 長年大企業で働き、給与が高いと年金額も多い。加えて企業年金もあるなら、他から見ると恵まれている人。しかし、子どもの教育費が思いがけず多額だったり、住宅ローンの借入額が多かったりすると、老後資金となるまとまったお金が準備できていないケースもある。