日本の山が危ない 登山の経済学#0予告編

 百名山ハンターから山ガールまで、広く国民のレジャーとして広がった登山。ところが、この登山を支える環境が危機的な状況にある。背景には、日本の主要山岳が属する国立公園の管理制度という構造問題が横たわる。

 山の環境を整備して自然を保護すると同時に、登山者の安全を守るための体制は非常にもろい土台の上にある。インバウンド観光客を含めて登山者が増えている日本の山は、その脆弱な管理体制のままでは回らなくなってきているのだ。

 一方、第3次登山ブームを経て市場が膨らむ登山関連市場は、プレーヤーの新旧交代が相次ぎ合従連衡が起こっている。

 秋山シーズンのさなか、知られざる「登山の経済学」をひもといてみよう。最終配信日の11日(金)まで全6回の配信を予定している。

#1 10/7(月)配信
山小屋約40軒が孤立、ヘリコプター便不通で浮上した「日本の山の危機」

日本の山が危ない 登山の経済学#1

 夏山シーズンを目前に控えた今年7月。新潟、長野、岐阜、富山の4県にまたがる北アルプス地域で登山客を迎える山小屋約40軒への物流が、ヘリ便の運休により途絶えるという事件が起こっていた。そこで明らかになったのは、現在の登山環境を支えてきた体制の構造的限界だ。

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#2 10月7日(月)配信
登山環境が危ない、金も人もシステムもない国立公園管理のお寒い体制

日本の山が危ない 登山の経済学#2

 日本の登山を取り巻く危機は、ヘリコプター問題だけではない。登山の安全を確保する登山道などのインフラの整備が、追い付かない状況が日本の各地で続発しているのだ。国立公園でさえ予算も人も足りず、管理を行うための制度すらまともに機能していないという根深い問題がある。

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#3 10月8日(火)配信
山小屋主が訴える国立公園管理の窮状、国の管理責任はどこへ?

日本の山が危ない 登山の経済学#3

 北アルプス黒部源流で山小屋を経営する伊藤二朗さんは「国立公園の管理体制を変えるべき」と訴える。登山者にはあまり知られていない国立公園の管理体制の問題点について、現場から声を上げている。

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#4 10月9日(水)配信
モンベルの44年、「自分が欲しい登山用品」を作り続けて840億円ブランドに

日本の山が危ない 登山の経済学#4

 登山用品ブランドとしては国内最大級に成長したモンベル。その成長の裏には徹底して「自分たちが欲しいもの」から発想したモノづくりがあった。元登山家である辰野勇会長に、その事業の要諦と経営を支える理念について聞いた。

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#5 10/10(木)配信
登山関連市場に新規参入・再編の嵐、頂点を獲るのは誰だ?

日本の山が危ない 登山の経済学#5

 登山用品の製造や専門小売店、情報誌などから成る登山関連市場は、戦後間もない頃に起こった歴史ある産業だ。だが、そのプレーヤーたちの勢力の新旧交代も起こりつつある。第3次登山ブームの後、じわりと伸びる市場を制するのは果たしてどこなのか。

>>記事はこちら(10月10日公開)

#6 10/11(金)配信
登山雑誌・登山アプリで「新興勢力」が大躍進している理由

日本の山が危ない 登山の経済学#6

 高いシェアを占め、その業界での歴史も長い競合が存在する市場に後から参入して成功するのは容易ではない。ところが登山市場においてはある2社が、これまで競合が掘り起こせていなかった新たなユーザーを発掘し、成功を収めている。

>>記事はこちら(10月11日公開)

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