ハーバード大学は、学生の構成をより多様にするため、入学者選考にあたり、アジア系米国人を人種的に差別できる。これが、連邦判事が1日に下した驚きの判決の核心部分だ。この判断は1964年公民権法と相いれないものであり、争いの舞台は今後、最高裁まで行き着くと見られる。アリソン・バロウズ連邦判事は「ハーバード大の多様性確保は、ある部分、人種を考慮した入学者選考に依拠している」と指摘。「人種を考慮した選考は常に、このプロセスによって有利にならないグループをある程度不利にするが、それは、多様性の重要度の高さと、多様な学生の構成から生じる全ての利益によって正当化される」と述べた。ハーバード大は、アジア系米国人への差別を行っていないと主張し、入学定員、暗黙の了解、ないし別の方法の存在についても一切否定している。同大は人種について、多くの要素の1つに過ぎないと主張しており、証拠を精査したバロウズ判事は、多様性は合理的な目標であるため、こうした人種の考慮は合法だと述べた。判事はそうすることで、成績の良いアジア系米国人が増え過ぎないようにするために多くの大学が行っている、不透明な慣行を合法化した。