並んだワインワイン市場が過去最高水準で推移している(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ワインの国内消費量が過去最高水準と好調だ。酒類全体が右肩下がりの中、ワインはここ10年で市場が1.5倍に拡大した。この潮流に乗るべく、大手ビールメーカーが注力するのは「日本ワイン」だ。ワイナリーの開設や、ブドウの栽培面積を増やすなど、各社しのぎを削っている。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

毎日ボトル140万本が消費され過去最高
ワインの好調が「日本ワイン」に追い風

 毎日ボトル140万本が飲み干されていく――。

 ワインの国内消費量が過去最高水準だ。酒類全体が縮小傾向の一方、ワインは長期的に増加傾向で、好調を維持している。

 毎年秋の風物詩となった「ボジョレーヌーボー」だけでなく、近年は輸入ワインの増加が好調の要因だが、今年はさらなる追い風が吹く。

 2月に日本とEUの経済連携協定(EPA)が発効されたことにより、これまで1リットルあたり125円または、価格の15%にかかっていた関税が0%となった。加えて2007年から段階的に下げられていたチリ産ワインの関税も4月にいよいよ完全撤廃となった。

 チリ産をはじめとしたいわゆる「新世界」と呼ばれる国の低価格ワインに加えて、フランスやイタリアといった「伝統国」のワインもお求めやすくなったのだ。