国税庁の最新の統計によれば、2017年度の国内のワイン消費量は38.2万キロリットルで過去最高を更新した。酒類全体の消費量は1999年度をピークに右肩下がりとなっている中、ワインはここ10年で1.5倍と市場を拡大させている。
これにチャンスの機会をうかがうのが、国内大手ビールメーカーだ。国内のビール消費量が14年連続で減少する中、ワインの盛り上がりは明るい材料である。とりわけ注目が集まるのは「日本ワイン」だ。
「これまでの日本ワインは味が水っぽいと評されることが多かったが、近年では格段に味が向上し、評価も高まっている」と、業界関係者は笑顔だ。
日本ワインという表記について、これまで明確なルールがなかった。だが18年10月に施行された酒税法の新たな表示基準、いわゆる“ワイン法”によって、国産ブドウを100%使用して国内製造されたものが日本ワインと定義されることになった。海外から輸入したブドウを使って国内で製造されたワインは「国産ワイン」と呼ぶようになり、“純国産”ワインとの明確な線引きがなされたのだ。
国内ワイン市場において、日本ワインのシェアはまだ4.1%。今後拡大の余地は大いにある。
輸出環境の変化も後押しをする。財務省の貿易統計によれば、日本産酒類の輸出は18年までの7年連続で過去最高を記録しており、日本ブランドが世界から注目されている。