この場所は「千客万来施設」が建設され早ければ2022年末にオープンするため、いずれ工事が始まる。もともと江東区は市場移設受け入れに伴い「賑わい創出」を求めたが、移転が遅れたことで、千客万来施設のオープンも後ろ倒しとなった。そこで都はこの場所を活用し、土日に一般市民向けのバーベキューなど“賑わい”を生み出すためのイベントを開催することになっている。
ならば、イベントのない平日は駐車場として活用してもよさそうだが、「今年3月まで駐車場として利用していたのは、あくまで移転後の混乱を避けるための暫定的なものだった」(豊洲市場の市沢拓也総合調整担当課長)との理由で、4月以降は閉鎖するようになった。
豊洲への移転前後から、市場関係者の間で指摘されてきた課題は駐車場不足だ。市沢担当課長は、「駐車場はピークの時間帯でも不足していない。水産仲卸棟の1階や4階は空きスペースがあり、運用上の問題だ」と主張。例えば、3台分の駐車スペースを確保した業者が、実際には2台分しか停めていないなどの問題を解消すれば十分なスペースがあるとし、業界団体で調整を図っているという。
だが、今でも水産仲卸棟3階の駐車場は大混雑。移転して1年を経たが駐車環境は改善に至っていない。遠く離れた有明での駐車も「(仲卸業者の業界団体である)東京魚市場卸協同組合の求めで、都がUR(都市機構)から土地を借りて駐車スペースを確保した」(市沢担当課長)というが、その不便さは前述の通りだ。