固定電話
総務省はNTTに課している「全国どこでも固定電話サービス」の義務を緩和する方針を示しています Photo:PIXTA

総務省は、NTT東日本・西日本に課している「全国どこでも固定電話サービス」の義務を緩和する方針のようだ。技術進歩の観点、コストの適正負担の観点、労働力不足時代の要請という観点から、これを大いに歓迎したい。(久留米大学商学部教授 塚崎公義)

行政サービスは「全国どこでも」が原則だった

 山奥でも離島でも、人が住んでいる場所には行政サービスが必要である。道路や水道を整備・維持し、必要に応じて警察も消防も駆けつけなければならない。

 これに準じているのが、電話や郵便といった公的色彩の強いサービスである。行政そのものではないが、全国どこででもサービスを提供することが法律で義務付けられている。

 NTTに関しては、全国どこでも固定電話サービスを提供することが義務化されているようだ。そのために、山奥や離島まで電話線を敷いて維持管理する必要がある。

 それに対して、このたび総務省が2021年にもNTTの当該義務を緩和する方針であると伝えられていることは、大いに歓迎したい。

携帯電話などの技術進歩を規制緩和に活用しよう

 NTTの法的地位や事業内容などを定めたNTT法ができた1984年には、携帯電話は普及していなかったであろうから、過疎地をカバーする基地局が存在せず、したがって電話ケーブルを敷設する必要があったのかもしれない。

 しかし、今や携帯電話が発達し、全国各地に携帯の基地局ができている。それを利用して従来と大差ないサービスが提供できるのであれば、固定電話に固執する必要はない。

 また、従来の固定電話機等を無線ルーターと接続すると、従来の固定電話と同じように使えるのであれば、「それでも電話回線を過疎地まで敷設せよ」という義務はもはや無用である。