インフルエンザのワクチン接種は早めに
米疾病対策センター(CDC)は、南半球での状況を鑑みると今シーズンは北半球でもインフルエンザの流行が早まると考えられ、直ちに予防接種を受けるべきであるとする警告を、CDC発行の「Morbidity and Mortality Weekly Report」10月11日号において発信した。
インフルエンザに関するこの最新情報を執筆したCDCのScott Epperson氏は、この半年の間に南半球でインフルエンザが大流行した主な原因は、流行の開始が早かったことと、症例の報告率が向上したことによるものであると説明し、「米国でインフルエンザが広がり出す前のこの時期こそ、ワクチンを接種し、これからの流行に備えるのにふさわしい時であることを改めて伝えたい」と述べている。
2019~2020シーズンのワクチンは、現在出現しているインフルエンザ株に合わせて昨年のものから変更されており、A型H1N1およびH3N2を予防できるものになることが見込まれる。また、これまでに認められている2種類のB型株との適合性も高いとみられている。
CDCは、インフルエンザの流行時期は予測不可能として、流行に備え、生後6ヵ月以上の全ての人がワクチンを接種することを推奨しており、流行が始まる直前の10月が、ワクチン接種に最も適した時期としている。
Epperson氏の説明によると、インフルエンザウイルスは1年中存在しており、夏の間はあらゆる型が循環しているため、流行期にどの株が優勢となるかを正確に予測することはできないという。しかし、どの株がワクチン含まれているかにかかわらず、「今シーズンのインフルエンザワクチンの接種は身を守るための要となるだろう」と同氏は述べている。特に5歳未満の幼児、65歳以上の高齢者、妊娠中の女性のほか、糖尿病、心疾患、喘息等の慢性疾患がある人など、インフルエンザの合併症リスクが高い人にはワクチン接種が重要である。