「既得権益と戦う女」が
小池氏のブランディング

 わかりやすいのが、「希望の党」を結党した時につくったPRビデオだ。この映像は「さらば、しがらみ政治」というコピーが登場した後、小池氏をイメージさせる女性が、おじさんたちにこんな文句を言われるというものだ。

「歯向かう気か」
「組織なめんなよ」
「変えられると困るんだよ」

 そして、「既得権」「隠蔽体質」「組織の圧力」「進まぬ政治」という文字がこの女性に覆いかぶさるが、すぐに跳ね返され「ただ耐えるか」「みんなで変えるか」という言葉が登場するのだ。

 報道によれば、「合意なき決定」という発言は都職員が用意したものではなく、小池氏のアドリブだという。あのキャッチーなキメ台詞は、8ヵ月後に控える選挙を前にしてお得意の「既得権益と戦う女」というブランディングだと思えば、非常にしっくりくる。

 だからこそ、それを間近で見ていた森喜朗氏は、「“合意なき決定”というのは欧州で流行った言葉ですが、ここにはまるかどうか」とチクリやったのではないか。同じく選挙という「情報戦」を長く勝ち抜いてきた森氏からすれば、1300万都民が固唾を飲んで見守るこの場で、あのような「新聞の見出しになるような発言」をする目的はひとつしか考えられなかったはずだ。だから、そのパフォーマンスを無効にしようと、あのような揶揄になったのではないか。

 マスコミはいまだにIOCとの対立がどうだと騒いでいるが、実は小池氏はもうとっくに別の「戦い」をはじめているのかもしれない。