ソフトバンクに野心弱める必要あり、教訓学べるか
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――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 トップが常軌を逸しないよう統制するプロセスが社内にあるのかと問われれば、その最高経営責任者(CEO)は自分がこれまで行きすぎたことを思い知らされるだろう。6日の決算発表会見でこの質問を受けたソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は、投資家を納得させるために、これまで以上のことを実行する必要がある。

 孫氏の予測不可能な投資スタイルは、ここにきて確実に同氏に痛みをもたらしている。ソフトバンクの7-9月期決算は、営業損益が65億ドル(7043億円)の赤字と、四半期ベースで2005年以来の赤字転落となった。共有オフィス賃貸を手がける米ウィーワークへの巨額投資が裏目に出たことが主因だ。ウィーワークの企業価値はピーク時の470億ドルから78億ドルに著しく切り下がった。ソフトバンクは9月時点で、傘下のビジョン・ファンドとあわせ、103億ドル相当のウィーワーク投資のうち、約3分の2を失った。だが、ソフトバンクは先月、ウィーワークが新規株式公開(IPO)の棚上げを余儀なくされたことを受けて、さらに資金をつぎ込んだ。ビジョン・ファンドが出資する米ライドシェア大手ウーバーテクノロジーズと企業向けコミュニケーションツールを手掛ける米スラック・テクノロジーズの企業価値も、7-9月におよそ3割下がった。

 孫氏は、ウィーワークのような失態は今回限りだと説き、投資家の懸念払しょくに努めた。ソフトバンクは、出資先企業が将来、経営危機に陥る事態となっても、ウィーワークのような救済は通常は行わないとも述べた。投資家はビジョン・ファンドによる投資で損失が生じた場合、ソフトバンクがその埋め合わせを余儀なくされ、さらに傷口を広げることになりかねないと気をもんでおり、これは賢明な確約だ。だが、信頼できるものではないかもしれない。出資先の多くは現金燃焼が続いているスタートアップ企業で、ソフトバンクがどこで支援打ち止めの線引きを行うのか不明だ。