リーバイ・ストラウスとラングラーはともに、米西部開拓時代のカウボーイや鉄道労働者が着る作業服としてのジーンズが始まりだった。しかし、政治的分断が投票行動のみならず、購買行動にまで影響するようになった現在、両社は両極に位置するようになっている。消費者調査のデータによれば、民主党支持者は共和党支持者と比べ、リーバイスのジーンズをはくことが多くなっている。ラングラーのジーンズについては、逆の傾向が強く、共和党支持者の間で人気が高くなっている。こうした消費者動向の背景について、単純な説明はできない。リーバイスが銃規制を支持していることなど、各企業の社会的、政治的スタンスが影響している部分もある。また、地方部で共和党支持者が増え、都市部で民主党寄りの人々が増えているといった地域的な変化と関連している部分もある。中西部のカウボーイ文化を受け継ぐ地域ではラングラーが人気であり、サンフランシスコに本社を置くリーバイスは都市住民の支持の方が高い。