「なぜ経営者をやっているのか」をしっかり伝える
2つめは、社長が「なぜ経営者をやっているのか」を示すことです。これも言われてみれば当然の話です。強い組織にはゴールデンサークルと呼ばれる、3つの円があると言われます。
ゴールデンサークルとは、
WHY:なぜ、何のためにやっているのか
HOW:どうやって実現するのか
WHAT:具体的にどんな活動をするのか
を表現した3つの円です。
「なぜ社長をやっているのか」は、まさに一番中心に近い「Why」にあたる部分。とくにサラリーマン経営者の場合、社内のメンバーからすると、「なぜ経営者をやっているのか」が見えづらいケースが多いのです。創業社長と比較して、創業物語が世の中にあふれているわけでもないし、堅実だが、強烈なエピソードをもたない経営者もたくさんいます。
そうすると、一緒に働いたことがある社員は、経営陣の「Why」を理解していても、それ以外の社員は理解していないケースも多い。その場合、彼らは「なぜ出世して経営者になったのか」という形式的な理由は理解できるが、本質的な理由である「なぜ経営者をやっているのか」は見えづらくなります。だからこそ、それを言葉でしっかり伝える必要があるのです。