今年で15年目のロングセラーとなっている『和田裕美の営業手帳 2020』(以下、『和田手帳』)。手帳には、結果を出すための仕掛けが14個も施されており、営業以外の方も「成長できる」と評判です。今回、長年リピーターとしてお使いくださっている愛用者3名をお招きし、和田さんと共に座談会を行いました。多様な使い方の実例と、さらに使いやすくなるアイデアをお届けします。(構成:両角晴香、撮影:疋田千里、聞き手:ダイヤモンド社書籍編集部)
付録ページの「営業ツール」で
うちのチーム強化中です
──お仕事でどのように『和田手帳』を活用されていますか?
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杉山由美枝さん(以下、杉山) 私は保険の営業をしています。チームメンバーを採用して育成するのが主な仕事でして、巻頭の計画表にチームメンバー全員分の契約件数を書き込んで管理しています。それと、巻末付録ページに掲載されている「陽転思考十ヶ条」は、新人さんにコピーして渡すようにしています。私はこういうチームを作りたいのだと、最初に知っておいてもらいたいのです。
和田裕美(以下、和田)「陽転思考十ヶ条」は、私が営業職だったころ、毎朝みんなで唱和していた言葉なんです。使っていただけてうれしいですね。
杉山 それと、チームには、営業経験のない人も入ってきますので、そういうメンバーに対しては、付録ページの「営業基本動作」を教科書代わりにして指導にあたっています。
谷澤恵美さん(以下、谷澤) 私は、ヨガのインストラクターと、ボディケアの施術をしています。計画表には、ヨガや施術をされた方の人数を記録していますね。
石田紳一郎さん(以下、石田) 私は老人ホームで介護の仕事をしています。手帳には月のシフトを書いたり、ToDoリストを書くのも好きです。『和田手帳』の週間スケジュールのページは余白たっぷりで自由度が高いので、思いついたことをなんでも書き留めるノートとしても活用しています。
結果より「プロセス」を記入する
──杉山さんは『和田手帳』が提案する営業としての使い方を忠実に再現してくださっていますよね。
杉山 公式の使い方を真似してみたら、ひと目でチームの状況を把握できるようになったんです。俯瞰して、計画表が黒く埋まっていれば売れている証拠。逆に真っ白であれば踏ん張りどきです。
和田 契約件数だけでなく、目標件数や訪問件数も記載しておくと、さらに使いやすくなりますよ。まず目標件数を赤い◯で書いておいて、ご成約いただけたらそれを赤で塗りつぶすんです。
訪問件数は△で記します。お会いしたけれど金額の提示までできなかったお客様は黒線の△、成約したお客様は赤で塗りつぶした▲、最後まで説明はできたけれど成約に至らなかったお客様は黒く塗りつぶした▲で区別すると、パッと見でどんな状況なのか把握できるんです。
杉山 なるほど。目標に対して、実際どれだけ行動できたかを明確にするのですね。
和田 結果よりも「どのように行動したか」が見えることがとても大切なんです。「この煎餅おいしいよ」と1人にアプローチして1人に食べてもらった営業と、10人にアプローチして1人に食べてもらった営業とでは、後者に伸び代を感じます。9の見込みを作れたということですから。
書き方一つで
結果が変わることを心得よう
谷澤 私は、月間計画表に施術ごとにアイコンを変えて記載しています。ボディケアの施術をしたら△、アロマだったら○などですね。
和田 谷澤さんは、色分けすると良いかもしれませんね。ヨガは緑、アロマは赤とか。『和田手帳』の計画表は、パッと見て瞬時に状況を把握できるツールにしたいんです。相撲の白星黒星も、瞬時に勝ち負けを把握できますよね。
谷澤 なるほど。早速やってみます。
和田 手帳は、その人がどんな自分でありたいかで、書く内容が変わってきます。谷澤さんは、もっと売れるようになりたいですか? であれば、お客様とのやりとりの「詳細」を手帳にメモしておいたほうが、次につながりやすいです。そもそもメモしていないと、たくさんお客さんがいる中で、どなたとどんなやりとりしたのか、わからなくなりませんか?
谷澤 たしかに、なりますね。
和田 たとえば、Aさんはヨガのお客様だとすると、ボディケアも一緒にやってくれたらいいなと思いますよね。であれば、Aさんに「タイマッサージの提案をした」とか「興味あり」「反応なし」などと書きとめておくんです。そして後日、「この間、ご興味ないとおっしゃっていましたけど、よろしければサービスで10分だけ体験してみませんか?」と提案するんです。その反応を見れば、本当に興味がないのか、価格に問題があるのか、ある程度見えてくるはずです。そこからさらに一歩踏み込んだアプローチが可能になります。
「Weeklyのメッセージ」で
心と体にメリハリを
杉山 私は、和田さんの「Weeklyのメッセージ」が大好きです。闇雲に「頑張れ!」とは書いてないんですよね。営業をしていると数字にとらわれて肩に力が入ることもあるのですが、ときには「ゆっくりいきましょう」なんて”ゆるめる言葉”があり、それに触れるとホッとします。「Weeklyのメッセージ」を週のテーマにしています。
石田 「Weeklyのメッセージ」は文字量が少ないので、「朝の情報番組の占い」感覚で、パッと手帳を開いてサラッと読める。それくらいの気楽さが僕も好きです。
和田 「Weeklyのメッセージ」も「月間スケジュール」の言葉も、毎年新たに書き下ろしています。楽しんでもらえてうれしいです。
谷澤 私は冒頭の「年間スケジュール」をいまいち活用できていないんです。どう使えばいいのかなと。
和田 「年間スケジュール」は月単位ではない、うんと先のスケジュールを組んでいるときに役立つんです。たとえば、半年後に海外旅行に行くスケジュールを組んでいても、月間スケジュールのみで時間を追いかけていると、「あれ!来週海外旅行じゃん!」なんてことになりませんか? 友人のお誕生日とか、家族の命日なども、忙しさにかまけてつい忘れてしまったりします。それらを年間単位で把握することで、「来月Aちゃんのお誕生日だわ。買い物ついでにプレゼントを買っておこう」とか、時間を有効活用できるんです。
石田 たしかに、月の頭に大事な用事が入っているのをすっかり忘れていて、翌月のページをめくった瞬間、「今月だった!」と焦るんですよね(笑)
和田 資格の試験日なども、年間で意識すると計画的に準備できます。ぜひ活用してみてください。
(後編に続く)