店長オススメPOPを貼ったら、不人気メニューの注文数に変化が!
3つ目の実験は、池袋のカフェにて。
伝え方で、注文数は変わるのでしょうか?
こちらのカフェでは、絶対エースの日替わり定食を筆頭に、しょうが焼き定食、しょうゆラーメンなどが人気者として脇を固めます。
そんななか、食事メニューとしてはいちばん不人気のカレードリア。
「おいしいのに…」と店長さんも肩をおとします。
そこで、メニュー表にPOPシールを貼って、応援することに。
比べるのは、シールなしの場合と、
「店長渾身の一皿!」
と書いたシールを貼った場合。
店長さんが腕によりをかけてつくったものを食べられるのは、「相手の好きなこと」になっていますね。
結果は、こうなりました。
<1,000人中、カレードリアを注文した人数>
・伝え方の技術なし
24人/1,000人
・伝え方の技術あり
30人/1,000人
伝え方の技術ありのほうが
カレードリアが約1.3倍多く注文された
という結果に。
「伝え方の技術なし/あり」の場合で1,000人ずつ、注文数を集計・共有いただきました。
メニューのシール表示には、一定の効果があったようです。
ちなみに、カレードリアの注文数30に対して、人気の日替わり定食は注文数253。
日替わり定食にはサラダバーとスープ、ドリンクまでついて、とてもお得とのことですが、その差8倍以上と、エースの実力を見せつけられた格好となったのでした。
調査データから伝え方の技術「相手の好きなこと」は、平均で約1.2倍の効果
今回は計3,000人を対象に、伝え方の技術「相手の好きなこと」を使った3つの実験を行いました。
最終的に、ティッシュ配りで約1.3倍、階段で約1.04倍、カフェの注文でも約1.3倍の効果が得られる結果に。
立教大学の郭洋春総長は、「伝え方の明確な技術を駆使することで、伝えたい内容を正しく、効果的に伝えられる。それにより、個人間のコミュニケーションにとどまらず、組織の大きな目的も良い方向に導ける可能性がある」と考察しています。
後編で検証するのは、「伝え方でアンケートを書いてくれる人が増えるのか」「募金してくれる人が増えるのか」。ふだんだったら素通りする人の行動は、変わるのでしょうか。
今回の結果をさらに上まわる、大きな変化があった伝え方も飛び出します。
どうぞ、ご期待ください。