ネットスーパーを制する者がEC(電子商取引)市場を制する!?――。拡大を続けるEC市場。しかし、今後はネットスーパーを抜きにしてEC市場の成功は語れない局面に入っている。日常使いの商品を売るネットスーパーに競争力があれば自社サイトへの集客力も高まり、固定客化が図れるからだ。国内のネットスーパーを制するのはアマゾンか、英ネットスーパーと提携したイオンか、それとも第三の勢力が市場を脅かすことになるのか。(流通ジャーナリスト 森山真二)
イオンが英ネットスーパーと提携し
アマゾンに対抗
11月下旬、流通業界にちょっとした衝撃が走った。リアル店舗が主体のイオンが英ネットスーパーと提携し、アマゾンに対抗すると宣言をしたからだ。
ネットスーパーといえば、流通業界ではもうからない事業の代名詞になっている。あるスーパーの幹部は「ネットスーパーはどうやってもなかなかもうからない」とこぼす。
その上、「ネットスーパーがEC事業を制する?ほんまかいな」と、まったくネットスーパーの将来性には懐疑的だ。
流通業界でネットスーパーへの参入は増加しているものの、儲かっているスーパーはごく一握り。最近では物流コストの上昇に耐えかねて、従来数千円以上は無料だったのに、配送料数百円を設定しているところも多くなっている。