猫から人間の皆さまへ。人間が猫にときどき押し付けてくる嫌なこと4つステファン・ガルニエ(Stéphane Garnier)
1974年、フランス、リヨン市生まれ。レコーディング・エンジニアとして長く働いた後、現在は作家として小説、エッセー、ドキュメンタリーなどを手掛けている。愛猫ジギーとの暮らしを満喫し、その行動から日々得られた気づきをまとめた『猫はためらわずにノンと言う』(ダイヤモンド社)がフランスで20万部を超えるベストセラーとなり、世界28の言語に翻訳された。腕に抱いているのが愛猫のジギー。

3.お腹をいじる
 お腹をいじられるのが好きな仲間もいて、そういう猫なら何時間やられていても嫌がらない。しかし一般に、猫の多くはお腹をさわられるのがあまり好きではないということを知ってほしい。
 ゴロンと腹を見せることはあるが、それは友情と信頼の証であって、四本の足を上に上げることで爪を出せる状態にし、ジャレようとかまえていることも多い。
 それから、どうしても子どもの頃を思い出してしまう。母猫が仔猫を従わせるために、背中に足をのせて地面に押し付けることがある。ちょっとしたお仕置きのようなものだ。だから、少しの間だったらお腹をいじられても黙っているかもしれないけれど、引っかかれないように気をつけたほうがいい。
 あなただって、誰かに何時間もへそをいじられたら、どう思う?

4.鼻をさわる
 鼻はとてもデリケートかつ大事な器官だ。
 鼻の上のほうをなでるのはいい。けれど、手がゆっくり近づいてくるのが見えていなかったのに、いきなりやられたら、爪で電光石火の一撃をお見舞いして逃げてしまうかも。
 テーブルについた隣の席の人が、何の予告もなしにあなたの鼻を押してきたら、どんな気分?
 それから、念のため猫を飼ったことのない人に言っておくが、猫は後ろ足やしっぽをつかまれることも、毛並みに逆らってなでられることも嫌いだ。
 人間だってそうでしょう?