世界28の言語で翻訳された全仏ベストセラーシリーズ最新刊の日本語版『猫は気まぐれに幸せをくれる』が刊行されました。
寝たいだけ寝て、暇さえあれば物思いにふけり、嫌いな奴が来たら姿をくらませる。飼い主をたっぷり困らせたかと思うと、欲しいものがある時だけ従順なフリをして、実は猫のほうが飼い主を選んでいる……15年間、どんな時でもそばにいてくれた愛猫に教わった、もっと楽しく快適に生きる秘訣を『猫は気まぐれに幸せをくれる』から一部抜粋・再編集してお送りします。

猫が飼い主をたっぷり困らせるための10の方法Photo: Adobe Stock

猫は飼い主が困ることを知っている?

 面白いから飼い主を困らせる方法シリーズ、今回は猫がどれほど飼い主を困らせるのに長けているか説明しよう。とにかく面白いことはやる。
 詩人のパム・ブラウンが言うように、
「猫はどこに座ったらいちばん邪魔になるか、数学的にきっちり割り出せる」。
 確かにそうだ。

【その1】
 足に触れるところにあるカギやペン、携帯などはすべて「偶発的に」落ちる対象となる。
 猫は落下の原因を作りながら飼い主の目を愛おしそうに見つめるのである。

【その2】
 飼い主を遊びに誘う絶好の時間は、朝の三〜五時である。
 寝室のドアが閉まっていたら、その前でニャーニャー鳴けばいいし、開いていたら鼻の上に飛び乗ってやればいい。

【その3】
 いかなる部屋においても、いちばんいい場所は次の二つの特徴をもつ。
 猫専用の場所で、かつ飼い主が毎日使うところ。猫の邪魔をして悪いと思わせるためだ。

【その4】
 名前を呼ばれれば呼ばれるほど返事はしない。鉄則だ。

【その5】
 飼い主がモフりたいと思ったら、そっと姿を消すが、そうでない時にはすり寄ってゆく。

【その6】
 テーブルの上には飼い主が見てさえいなければ必ず何かごちそうがあるものだ。

【その7】
 猫が伸びをする時は、廊下の幅やドアのすき間の長さにぴったり合わせることができる。
 人が通行するのに最大限の邪魔となるように。