フーターズの女性たちPhoto:Astrid Stawiarz/gettyimages

 間もなく2019年が終わろうとしている。

 2019年の全国の企業倒産数は11月までに7646件発生し、前年同期比を2.8%上回っている。

 リーマン・ショック翌年の2009年に中小企業の連鎖倒産防止を目的に中小企業金融円滑化法が施行されたことで、以後、2016年までは7年間連続で倒産件数が減少し続けた。しかし、その効果も一巡し、2017年には倒産件数が前年比で増加。2018年は前年比で減少したものの、今年は再び増加に転じる動きを見せている。倒産件数は「底打ち」または「増加に転じる」時期に入ったといえる。

 国内では少子高齢化を背景に人手不足、後継者不足という「人」に関連した問題が深刻化し、倒産要因として注目されるようになったほか、今後は10月の消費増税に伴い小売業、サービス業を中心とした倒産増加が懸念されている。さらに、来年の東京オリンピック開催後の反動も気になるところだ。

 こうした中、2019年の倒産で印象的だった3つのケースを紹介し、今年1年を振り返りたい。