非表示にせざるを得なかった
インスタ特有の事情

 さらにSNS全体の問題とは別に、天野氏はインスタ特有の事情を指摘する。

「インスタの至上命題は、常に『いかにユーザーの投稿するハードルを下げるか』でした。インスタの歴史をひもとくと、初期に使っていたのは写真家やデザイナーなどのクリエイター層で、全般的にクリエイティブな色彩が目立っていました。その流れで、いかにおしゃれな写真を投稿するかというインスタ独特の特徴が今もあり、投稿のハードルが高いと思われているのです」

 高すぎる投稿のハードルはユーザー離れを招く。運営会社にとって一番手痛いのはユーザーが離れ、広告の効果が出ないことだ。収益獲得のためには、いかに投稿のハードルを下げて、ユーザー数を増やすかが鍵となるのだ。

 そんななか、インスタは2016年にストーリー機能を実装。これは、投稿した写真や動画が24時間で消えてしまうもので、その手軽さがユーザーに好評だ。このインスタグラム・ストーリーズは、華やかな投稿を迫られるユーザーの「インスタ疲れ」を緩和したといわれている。

「ストーリーズによって、投稿のハードルは大きく下がり、ユーザー数の食い止めに成功はしました。しかし、今度は若年層を中心に普通の投稿よりも、ストーリーズばかり投稿するユーザーが増えてしまいました。インスタの収入源は広告ですが、ストーリーズの広告はまだ多くないため、普通の投稿も増やさないといけない。そこで、普通の投稿のみにつけられていた『いいね!』件数を非表示にして、普通の投稿のハードルも下げたい、という意向があるのではないでしょうか」

 今回の件数非表示は「いいね!」が及ぼす社会的な影響と、自らの収益への影響を加味した措置だったようだ。