「人生100年時代」と言われる今。ひと昔まえは、おばあさんと言われていた60歳が、美容をはじめ様々な技術の進歩で、ものすごく若くなっています。これまでの上の世代は、正直参考にならない。では、今をどんな風に生きて、どんな風に楽しめばいいのだろう?そこで、同世代女性永遠の憧れモデルである黒田知永子さん(現在58歳)と、『服を買うなら、捨てなさい』でお馴染みのスタイリスト地曳いく子さん(現在60歳)に、『おしゃれ自由宣言!』の中から、今のアラカン(60歳)のための、あたらしいおしゃれと暮らしについてお話しを伺いました。考え方は似ているのに、仕上がりは全然違う二人。他では見られない私服や自宅写真も必見です!今回は、地曳さんが『おしゃれ自由宣言!』で初めて語った、自身のおしゃれに最も影響を与えた、お母さまとのエピソードについてご紹介していきます。

背が高いわけでもなく、太っていたのに
とてもおしゃれだった母

似合うものが少ない人の方が、おしゃれは極められる(前編)

スタイリストとして何十年も活動してきて、さまざまな人やものから影響を受けてきましたが、私のファッション観や美意識に最も大きな影響を与えたのは、母・渡辺葉子です。

母は、背も高くなく結構太っていて、なんでも似合う体型ではありませんでした。それでも、母はとってもおしゃれな女性だったのです。幼い私の目にそう映っただけではなく、周囲からも常にそう言われていたので、本当にそうだったのだと思います。

母のスタイルはひと言でいうと、超コンサバ。髪はいつもきちんとセットし、洋服はすべてお仕立て。好きな色は、紺。

軽石やハンドクリームで手脚の手入れを常に怠らず、決して美人ではなかったけれど、ワンピースからのぞく手脚は、いつもうっとりするほどきれいでした。