同調査では、定額負担の対象となっていない病院を利用している患者にもアンケートを取っているが、適用対象外の病院を利用している患者は、受診時定額負担の存在にも敏感で、80.9%の人が「仕組みがあることを知っていた」と答えている。

 このように定額負担について知識がある人でも、上記の質問のケースBでは、43.9%が「5000円までなら負担する」、15.3%が「追加料金がいくらでも受診する」と回答しているのだ(ケースAは90.8%が「5000円未満の負担でも受診しない」と回答)。

 命にかかわるかもしれないと思ったとき、多少お金を払ってでも設備の整った大病院に行こうとする行動は否定できるものではない。

定額負担の対象病院を増やすよりも
かかりつけ医を増やすことが先決

 こうしたアンケート結果が出るのは、患者が信頼できるかかりつけ医にめぐり逢えていないことの表れだろう。病気のことをなんでも相談できるかかりつけ医がいれば、判断を仰ぐことができるが、ゲートキーパーになりうる人材が豊富だとはいいがたい。国も、診療報酬の改定などを通して、かかりつけ医機能をもった医療機関の増加を後押ししているが、それが医療機関の機能分化に大きな成果を出すまでには至っていない。

 今年4月から、紹介状なしの大病院の受診時定額負担は、一般病床200床以上の病院に拡大されることになったが、現状では定額負担があることを知りながら、大病院を受診する人があとを絶たない。

 つまり、紹介状なしの大病院の受診時定額負担は、「追加料金を支払えば、いつでも大病院を受診できる」という間違った捉え方をされており、国が目指す医療機関の機能分化の決定打にはなっていない。定額負担は大病院の懐を肥やすだけのものになっている。

 だが、信頼できるかかりつけ医がいて、的確な判断を下してくれれば、定額負担といったハードルを設けなくても、大病院に駆け込む患者は減っていくはずだ。本気で医療機関の機能分化を進めるためには、幅広い分野の医療の知識を持ち、患者がなんでも相談できるかかりつけ医を増やすことが求められる。

(フリーライター 早川幸子)