「周囲なんて気にするな」が逆効果という難しさ

 しかしながら、女の子に「周囲なんて気にするな」と檄を飛ばすのはかえって逆効果です。女の子はもともと、周囲の環境の中に自分の存在価値を見いだす部分があり、それを否定してしまうのは存在そのものの否定につながります。

 そこで、そういう特性を理解した上で、少しでも女の子が自分の勉強に没頭できるような環境をつくってあげることが必要です。これが上手くできれば女の子は最強です。もともと早いスタートを切っているのですから、そのままぶっちぎりでゴールを駆け抜けます。

 では、女の子が集中できる環境とはどういうものなのでしょうか。実は、ここがまた難しく、男の子のように単純に考えることはできません。「この環境がしっくりくる」というのは一人ひとり違い、親は我が子のそれを的確に把握しなければなりません。

 ここでも、いかに普段からの信頼関係が構築できているかが問われます。

 実は、女の子の場合、母子家庭のほうが受験に強い傾向があります。おそらく、「お母さんのために頑張ろう」という気持ちがその子を支えているのだと思います。また、親子の信頼関係もしっかりできており、それだけで「集中できる環境」になっているのでしょう。

 このように、親の側が想像しているベストな環境が、必ずしもその子にとってベストかどうかはわかりません。環境づくりに関して、詳しくは後述しますが親のトライ&エラーが求められます。