静謐も平穏もない
これからのタワマンは「喧騒」へ

――マンションの値段は駅ごとに決まるという風潮は変わりつつあるんでしょうか。

のら なんとなく年収とか資産で住むエリアや駅が決まっていたのが、自宅からすぐそばに保育園、スーパー、ドラッグストア、その他生活利便施設がそろう方が、より良いという価値観に変わってる。マンションポエムによく出てくる「静謐」とか「平穏」とか、そういうの関係なくて喧騒の中に住む。マンションの値段はそれを先取りしてます。たとえばこれから金町や亀戸でプラウドタワー亀戸クロスなどの駅そばマンションが売り出されるけど、従来このエリアでついてた価格とは全く違うものになる。となると、これを買う住民は、今まで亀戸周辺に住んでいる人と全く違う人種になるんじゃないでしょうか。武蔵小山もそうですね。三井不動産が驚愕の値段で出したけど売れたから、さらにこれを上回る価格で住不が売り出してるけど。ここに住んでる人たちは、もはや従来からの平均的な武蔵小山住民とは異次元の、地元のお金持ちか武蔵小山とは地縁のないパワーカップルの集合体になってます。

――同じ地域でも、住むマンションによって収入格差が出る感じですか。

のら これが突き進むと、町の人は「あそこのタワーマンションに“住まう人”は俺たちと別人種」って意識になるし、そのタワマンに住む人の意識もそうなる。そうするとそこだけで閉鎖コミュニティー化しかねない。小さいエリアで、社会の分断を招きかねないことをしているな、と感じてます。

どエンド 駅近のフラッグシップになるようなマンションは、ジモティーのお金持ちが老後にちょっと駅から離れた豪邸を売って住み替えるとかも多いからどこも大人気ですね。別に通勤する必要のない無職のぼくですら、やっぱ駅近がいいですもんねー。とはいえ分断や別人種ってほどの格差かな…。