世界経済フォーラム(WEF)の年次総会は、過去50年にわたって企業幹部や政治家、評論家、学者、活動家、「社会起業家」、著名人らを、スイスアルプス山中のこの小さな町に呼び寄せてきた。ダボス会議はこの町に暮らす住民にとって、良い面と悪い面がある。警護目的のバリアと交通量の多さは、狭い街路を悪夢に変える。しかし、立地の良い1ベッドルームのアパートの宿泊費は1泊当たり5000ドル(約55万円)にもなるため、多くのダボス住民は、この狂乱状態の町から出ることで、かなりの利益を手にすることができる。リゾート地として知られるこの町のホテルも恩恵に浴する。企業や政府は、イベントに使う宴会場や大広間を競い合って予約するため、地元のホテル業者は、WEF総会が開かれるようになる前の遠い昔にスキーシーズン全体を通じて得られた以上の契約を、この1週間で達成できる。
【オピニオン】ダボスを走る行先不明の列車
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