全世界でシリーズ累計100万部超のベストセラー『ブレイン・ルール』の第2作目にあたる『100万人が信頼した脳科学者の絶対に賢い子になる子育てバイブル』がついに日本上陸。「賢く幸せな子になってほしい」と願うすべての親のために、科学的に何度も「正しい」と認められた子育ての手法だけが紹介されている。本連載では同書より特別に一部を公開する。

「夫婦仲」と「風邪をひきやすい子」の関係とは?Photo: Adobe Stock

夫婦ゲンカが子どもに及ぼす影響

 親がケンカしている現場を見れば、子どもがストレスを感じることくらい、どんな親でも知っている。だが、親のケンカに反応を示す子どもの年齢は、研究者の予想よりはるかに低かった。

 6ヵ月未満の乳児でも、なにかがおかしいことを察知できる。成人と同様、生理学的な変化―血圧、心拍数、ストレスホルモンの上昇など―を見せるのだ。赤ちゃんの24時間蓄尿検査を実施すれば、親の夫婦ゲンカの程度を推定できるという説まであるほどだ。赤ちゃんや幼児がケンカの内容を理解しているとはかぎらないけれど、なにかがおかしいことには明確に気づいているというわけだ。

 ストレスは行動にもあらわれる。感情的に不安定な家庭で育てられている赤ちゃんは、新たな刺激に積極的な反応を示したり、みずから気持ちを落ち着けたり、ストレスを感じたあとに立ちなおったりするのが苦手になる―つまり、自分の感情をうまくコントロールできなくなるのだ。

 ストレスホルモンが骨の形成を妨げるため、赤ちゃんのちっちゃい足でさえ、きちんと成長しない場合もある。こうした赤ちゃんが4歳になる頃、そのストレスホルモンの量は、感情的に安定した家庭で育てられた子どもの2倍近くに達する場合があるほどだ。

 悲しい話だ。だって、こうした悪影響は払拭することができるのだから。

  たとえ重度の心的外傷を与えられる家庭で育ったとしても、その乳児が生後8ヵ月未満である場合、思いやりをもってしっかりと養育する環境に置かれれば、たった10週間ほどでストレスホルモンを調節する能力を改善できるのだ。