準大手ゼネコンである前田建設がグループ傘下で道路舗装業などを手掛ける道路大手の前田道路に対して、前田道路株式の51%取得を上限に公開買い付け(TOB)を始めた。前田道路はこれに反対を表明している。2社の攻防戦の裏に、有利子負債がなくキャッシュリッチな企業を狙うアクティビストの影がちらついている。(ダイヤモンド編集部 松野友美)
両社が5分差で
対立する情報開示
「世間から『親子喧嘩』だと思われていればいい。これは市場をどう認識するかの差だから」と準大手ゼネコンである前田建設(以下、「建設」)の幹部。1月20日午前11時10分、同社はグループ傘下で道路舗装業などを手掛ける道路大手の前田道路(以下、「道路」)に対して、道路株の公開買い付け(TOB)を始める旨の適時開示を行った。
そのわずか5分前には、道路が適時開示を行っていた。内容は、建設が保有する道路の株式を取得して資本関係を解消する提案するものだった。