しかし公社が回収できたのは、男性が逮捕時に所持していた現金約500万円や、チリ人妻の豪邸を競売に掛けて得た約7400万円だけだった。

 男性は16年に満期出所したが、公社の解散に伴って債権が譲渡された青森県にまったく返済をしていないとされる。

 刑事裁判での「杜撰な管理体制」の指摘を受け、公社は歴代の役員に管理責任があったとして元理事長らに損害賠償を求めて訴訟を起こしたが、9人が計1850万円を支払うことで和解が成立した。

 公社としても体面があるから「努力したふり」をしなくてはいけなかったわけだが、時間と金(弁護士費用)をかけても、回収できるのはその程度ということだ。

馬に貢いだ着服金

 それでは田村被告はいったい、着服した金を何に使っていたのだろうか。

 全国紙社会部デスクによると、趣味である馬術競技馬や競走馬の入手や維持・管理費、高級外車や高級バッグなどの購入に使っていたらしい。

 田村被告は18年1月、労組が会計調査を始めると「私を解雇してください」とメールを残して失踪。

 そして着服が発覚し、労組が警察に被害届を提出。20年1月 7日、逮捕されることになった。

 田村被告はかなり馬に貢いでいたようで、中には1頭数千万円の輸入馬もいたようだという。

 エサ代や調教費は1頭につき月約20万円が相場。逮捕時に所有していた馬は十数頭いたというから、少なくとも年間数千万円かかっていたことになる。