この要因について野村総研コンサルティング事業本部の宮本弘之パートナーは「アベノミクスによる景気拡大と株価上昇で富裕層の保有資産が増加したことに加え、純金融資産保有額1億円未満の準富裕層が富裕層に移行したことが大きい」と分析する。
つまり金融資産に投資する財力を元々持ち得た富裕層がさらに富を増やし、株や不動産などによって一代で財を成した「成り上がリッチ」を生み出したのが、アベノミクスの実態というわけだ。
では彼ら成り上がリッチたちは、具体的にどのようなきっかけで大金持ちとなったのか。ダイヤモンド編集部は今回、20人以上の富裕層に対面やメールで取材し、彼らの生態解明を試みた。
勝機を逃さない成り上がリッチのカネへの「嗅覚」
「某Fランク大学卒業後、システムエンジニアの偽装請負で働いたんですが、つらくて1年で辞めてしまいました。通勤が本当に嫌で……」
現在、都内でIT関連会社を経営する青山浩二さん(仮名、40代)が2000年代前半に脱サラし、一人で始めたのがアフィリエイトビジネスだった。インターネットを利用した成果報酬型の広告ビジネスは、今でこそ副業として人気だが、当時はそれほど広く認知されていなかった。
「『僕のサイトに広告を出しませんか』と100社にメールして、そのうち1社くらいは返信があった。今考えると完全にスパムメールですが(笑)、それで食いつなぎ、少しずつですが売り上げも伸びました」
作業量が増えて従業員を雇うようになり、2年後に法人化。FX(外国為替証拠金取引)口座の開設やウオーターサーバーの販売、カニのお取り寄せ──。さまざまなサイトを立ち上げ、広告の売り上げのめどが立つとサイトごと売却することを繰り返した。
だがアフィリエイトの収入だけでは売り上げの変動が大きい。青山さんの場合、個人資産を大きく増やしたきっかけが仮想通貨バブルだった。